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民泊許可申請の費用はいくら?制度別の申請手数料や行政書士報酬、開業費用を解説
民泊を始める際に気になるのが、民泊許可申請の費用ではないでしょうか。民泊の開業には、行政機関に支払う申請手数料だけでなく、行政書士への依頼費用、消防設備の設置費用、建物の改修費用などが発生する場合があります。
また、民泊には旅館業法に基づく営業許可、住宅宿泊事業法に基づく届出、国家戦略特別区域法に基づく特区民泊の認定という3つの制度があり、必要な手続きや費用が異なります。
そのため、民泊許可申請の費用を正確に把握するには、どの制度を利用するのか、物件がどのような状態なのかを確認することが重要です。
この記事では、民泊許可申請の費用について、制度別の申請手数料、行政書士報酬、開業準備に必要な費用、費用を抑えるポイントなどを行政書士の視点から解説します。
1. 民泊許可申請の費用はいくらかかる?
民泊の開業に必要な費用は、利用する制度や物件の状況によって異なります。行政への申請手数料だけでなく、設備工事や専門家への依頼費用なども考慮しなければなりません。
1-1. 民泊の開業には申請手数料以外にも費用がかかる
民泊の開業費用は、大きく分けると次の3種類です。
| 費用の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 行政手数料 | 旅館業の許可申請、特区民泊の認定申請など |
| 専門家への報酬 | 行政書士、建築士、消防設備業者などへの依頼費用 |
| 開業準備費用 | 消防設備、内装工事、家具、家電、備品など |
住宅宿泊事業法に基づく届出のように、行政への届出手数料がかからない制度であっても、開業準備費用や専門家への依頼費用が不要になるわけではありません。
1-2. 民泊の許可・届出・認定によって費用が異なる
民泊には3つの制度があり、それぞれ行政手続きの内容が異なります。
-
旅館業法:営業許可を取得する
-
住宅宿泊事業法:住宅宿泊事業の届出を行う
-
特区民泊:自治体から認定を受ける
1-3. 民泊許可申請の費用を事前に把握する重要性
申請手数料だけを見て開業計画を立てると、消防設備や建物の改修など、後から必要になる費用を見落とす可能性があります。
行政書士の実務意見
民泊許可申請の費用を検討する際は、申請手数料だけでなく、開業までに必要となる費用全体を把握することが重要です。物件の契約や購入を先に進めるのではなく、制度の選択と法令上の適合性を確認したうえで、見積もりを取得することをおすすめします。
2. 民泊の制度別に見る許可申請の費用
民泊の行政手数料は、制度や自治体によって異なります。特に旅館業法の許可申請や特区民泊の認定申請では、自治体が定める手数料を確認する必要があります。
2-1. 旅館業法に基づく営業許可の申請手数料
旅館業法に基づいて民泊を営業する場合、営業施設の所在地を管轄する行政機関に許可申請を行い、所定の手数料を支払います。
例えば、2026年11月時点で確認できる自治体の公式案内では、次のような金額が掲載されています。
| 自治体 | 旅館業許可申請手数料 |
|---|---|
| 静岡市 | 23,000円 |
| 京都市 | 52,800円 |
静岡市は2026年4月1日から手数料を改定しています。京都市は通常の旅館・ホテル営業、簡易宿所営業の審査手数料として52,800円を案内しています。
このように、同じ旅館業法の許可申請でも、自治体によって金額が異なります。
2-2. 住宅宿泊事業法に基づく届出の費用
住宅宿泊事業法に基づく民泊は、許可申請ではなく届出によって営業する制度です。
届出そのものについては、旅館業法の許可申請のような行政手数料を徴収しない取扱いが一般的です。ただし、行政書士に届出書類の作成や手続きを依頼する場合は、別途報酬が発生します。
2-3. 特区民泊の認定申請にかかる費用
特区民泊では、国家戦略特別区域法に基づく認定申請が必要です。申請手数料は実施自治体の規定によって異なります。
対象区域や必要書類とあわせて、自治体の最新の手数料を確認しましょう。
2-4. 3つの制度の申請費用を比較
| 制度 | 行政手数料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 旅館業法 | 必要 | 自治体ごとに金額が異なる |
| 住宅宿泊事業法 | 届出自体の手数料は原則不要 | 行政書士報酬等は別途 |
| 特区民泊 | 必要となる場合がある | 実施自治体の規定による |
行政書士の実務意見
制度別の費用を比較する場合、行政手数料だけで判断しないことが大切です。住宅宿泊事業法は届出制度ですが、住宅の要件や消防関係の確認、必要書類の準備などに費用がかかることがあります。営業日数や物件の条件も踏まえて、総額で比較しましょう。
3. 民泊許可申請を行政書士に依頼する場合の費用
民泊の許可申請や届出は、事業者自身で手続きを進めることもできます。ただし、必要書類の作成や行政機関との事前協議などに不安がある場合は、行政書士への依頼を検討できます。
3-1. 行政書士に支払う報酬の目安
行政書士報酬は各事務所が業務内容に応じて設定するため、全国一律の料金はありません。
公開されている料金例では、旅館業の許可申請が20万円台から、住宅宿泊事業の届出が10万円台からといった設定があります。一方、調査や図面作成、消防関係の手続きなどを含む場合は、さらに高額になることがあります。
3-2. 旅館業法の許可申請を依頼する場合
旅館業法の許可申請では、申請書類の作成だけでなく、施設の図面確認、事前相談、行政機関との調整などが業務に含まれる場合があります。
3-3. 住宅宿泊事業法の届出を依頼する場合
住宅宿泊事業の届出では、届出書の作成、添付書類の確認、民泊制度運営システムを利用した手続きなどが依頼内容となる場合があります。
3-4. 特区民泊の認定申請を依頼する場合
特区民泊は自治体ごとに運用基準が異なるため、対象区域の確認や認定要件の調査などが必要になることがあります。
3-5. 行政書士の報酬に含まれる業務内容
| 業務内容 | 主な作業 |
|---|---|
| 事前調査 | 法令や自治体の基準の確認 |
| 書類作成 | 申請書・届出書・添付書類の作成 |
| 図面関係 | 必要図面の確認・作成手配 |
| 行政機関との協議 | 担当窓口への事前相談 |
| 申請・届出 | 書類提出や手続きの支援 |
行政書士の実務意見
行政書士に依頼する場合は、単純な報酬額だけでなく、どこまでの業務が含まれているかを確認しましょう。例えば、図面作成、消防署への相談、証明書取得、自治体との事前協議が別料金になっている事務所もあります。見積書の内訳を確認し、追加費用の発生条件まで把握しておくことが重要です。
4. 民泊の開業に必要なその他の費用
民泊の開業では、行政手続き以外にも建物や設備に関する費用が発生する場合があります。
4-1. 消防設備の設置・改修費用
民泊施設では、建物の構造や用途、規模などに応じて、消火器、自動火災報知設備、誘導灯、非常用照明などの設置や改修が必要になる場合があります。
4-2. 建築基準法への適合に必要な費用
建物の用途や営業方法によっては、建築基準法への適合確認や改修工事が必要になることがあります。
4-3. 建物の図面作成・測量費用
既存の図面がない場合や、現況と図面が一致しない場合は、図面の作成や現地調査を依頼する費用が発生することがあります。
4-4. 家具・家電・備品の購入費用
ベッド、寝具、冷蔵庫、電子レンジ、テーブル、椅子、清掃用品など、宿泊者が利用する設備や備品を準備する必要があります。
4-5. 内装工事や設備改修にかかる費用
施設の状態によっては、壁紙や床の補修、水回りの改修、間取りの変更などが必要になる場合があります。
4-6. 近隣住民への説明や運営準備にかかる費用
自治体の条例や手続きによっては、近隣住民への説明や周知が求められる場合があります。また、管理体制や清掃体制の整備にも費用がかかることがあります。
行政書士の実務意見
消防設備や建物の改修費用は、物件の状態によって大きく変わります。インターネット上の一般的な金額だけで予算を決めるのではなく、消防署や建築担当部署への確認を行い、必要な工事について専門業者から見積もりを取得しましょう。
5. 民泊許可申請の費用が高くなるケース
民泊許可申請の費用は、物件の条件によって高くなることがあります。
5-1. 建物の用途変更や大規模な改修が必要な場合
建物の用途や構造が基準に適合しない場合、改修や追加工事が必要になる可能性があります。
5-2. 消防設備の追加設置が必要な場合
既存の消防設備だけでは基準を満たさず、新たな設備の設置が必要になると、その分の費用が発生します。
5-3. 建物の図面が不足している場合
必要な図面がない場合は、現地調査や図面作成を専門家に依頼する費用がかかることがあります。
5-4. 複数の部屋や施設を申請する場合
申請する施設や客室の数が増えると、書類作成や調査の業務量が増え、専門家への報酬が高くなる場合があります。
5-5. 自治体との事前協議に時間がかかる場合
自治体独自の条例や運用基準への対応が必要な場合、事前協議や追加資料の作成に時間と費用がかかることがあります。
行政書士の実務意見
費用が高くなる原因は、申請手数料だけではありません。特に建物の用途、消防設備、図面の不足は、開業費用に影響しやすい項目です。物件を決める前に、必要な工事や手続きの有無を確認することが、予算超過を防ぐための重要なポイントです。
6. 民泊許可申請の費用を抑えるためのポイント
民泊の開業費用を抑えるには、手続きを始める前の準備が重要です。
6-1. 物件を契約する前に法令上の要件を確認する
契約後に営業できないことが判明すると、家賃や購入費用などが無駄になるおそれがあります。事前に用途地域、建物の用途、管理規約などを確認しましょう。
6-2. 営業方法に合った制度を選択する
年間180日以内の営業でよいのか、より長い期間営業したいのかによって、適した制度は異なります。営業計画に合った制度を選びましょう。
6-3. 既存設備や図面を活用する
既存の設備や図面が基準を満たしている場合、新たな工事や図面作成の費用を抑えられる可能性があります。
6-4. 行政書士の業務範囲と見積もりを比較する
複数の事務所から見積もりを取得し、報酬に含まれる業務と別途費用を比較しましょう。
6-5. 追加費用や別途費用の有無を確認する
交通費、証明書取得費用、図面作成費用、消防関係の申請費用などが別途必要か確認することが大切です。
行政書士の実務意見
民泊許可申請の費用を抑えるためには、専門家への依頼を単純に省くのではなく、事前調査を丁寧に行うことが重要です。営業できない物件を契約したり、不要な設備工事を行ったりすることを防ぐだけでも、結果的に大きな費用の節約につながる可能性があります。
7. 民泊許可申請を依頼する行政書士の選び方
行政書士に依頼する場合は、料金だけでなく、民泊関連の手続きに関する経験や対応範囲も確認しましょう。
7-1. 民泊や旅館業法の手続きに詳しいか確認する
旅館業法、住宅宿泊事業法、特区民泊の違いを理解し、適切な制度を提案できるか確認しましょう。
7-2. 申請手続きだけでなく事前調査にも対応しているか
物件の要件や自治体の条例など、申請前の調査に対応しているか確認することが重要です。
7-3. 報酬と追加費用が明確に提示されているか
見積書に業務内容や別途費用が明記されているか確認しましょう。
7-4. 消防署や建築担当部署との調整に対応できるか
民泊の開業には、複数の行政機関への確認が必要になる場合があります。どこまで対応してもらえるのか、事前に確認しましょう。
行政書士の実務意見
行政書士を選ぶ際は、報酬の安さだけで判断しないことが大切です。民泊の手続きは物件や自治体によって異なるため、制度の選択から開業までの流れを説明でき、費用の内訳を明確に提示してくれる事務所を選ぶとよいでしょう。
8. 民泊許可申請の費用に関するよくある質問
8-1. 民泊の届出は無料でできますか?
住宅宿泊事業法に基づく届出自体には、一般的に行政手数料がかかりません。ただし、書類作成や行政書士への依頼、設備の準備などには費用がかかる場合があります。
8-2. 民泊の許可申請にはいくらの手数料が必要ですか?
旅館業法の許可申請手数料は自治体によって異なります。例えば、静岡市では23,000円、京都市では52,800円と案内されています。営業施設の所在地を管轄する自治体に確認してください。
8-3. 行政書士に依頼すると費用はいくらかかりますか?
行政書士報酬は事務所や業務範囲によって異なります。公開料金では、旅館業の許可申請や住宅宿泊事業の届出について、10万円台から数十万円の料金設定が見られます。個別の見積もりを取得することが必要です。
8-4. 民泊の開業費用はどこまで経費にできますか?
事業に必要な支出は、内容や事業の状況に応じて必要経費や資産計上の対象となる場合があります。税務上の取扱いは支出の性質によって異なるため、税理士等に確認してください。
8-5. 民泊の許可申請の費用は物件によって異なりますか?
異なります。建物の構造、消防設備、図面の有無、改修工事の必要性、自治体の条例などによって費用が変わります。
行政書士の実務意見
民泊許可申請の費用には全国一律の総額があるわけではありません。行政手数料、専門家報酬、設備工事費用を分けて見積もり、物件ごとの総費用を把握することが重要です。
9. まとめ|民泊許可申請の費用は制度や物件の状況によって異なる
民泊許可申請の費用は、利用する制度や物件の状況によって異なります。
旅館業法に基づく営業許可では自治体ごとの申請手数料が必要となり、住宅宿泊事業法に基づく届出では届出自体の行政手数料は一般的にかかりません。また、特区民泊では実施自治体の認定手数料を確認する必要があります。
さらに、行政書士報酬、消防設備の設置費用、建物の改修費用、家具や家電の購入費用なども考慮しなければなりません。
民泊の開業を検討している場合は、物件の契約前に必要な手続きと費用を確認し、余裕を持った資金計画を立てましょう。民泊の許可申請や届出に不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することも有効です。
根拠資料・参考リンク
以下は、記事の費用や制度の説明を確認できる公式資料と、行政書士事務所が公開している料金例です。
1. 行政手数料・制度に関する公式資料
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静岡市|旅館業に関する手続き
2026年4月1日改定後の旅館業許可申請手数料23,000円を確認できます。 -
京都市|旅館業許可申請について
旅館・ホテル営業、簡易宿所営業の審査手数料52,800円や標準処理期間を確認できます。 -
厚生労働省|民泊サービスと旅館業法に関するQ&A
旅館業法の許可が必要となる場合や、民泊の法的な位置付けを確認できます。 -
厚生労働省|民泊サービスを始める皆様へ
旅館業法の許可取得までの流れ、申請書類、事前相談について確認できます。 -
観光庁|住宅宿泊事業法(民泊)
住宅宿泊事業の届出制度、自治体の届出窓口、関係法令などを確認できます。
2. 行政書士報酬の公開料金例
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事務所 |
公開されている料金例 |
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旅館業許可申請(民泊)20万円~、住宅宿泊事業届出12万円~ |
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旅館業申請35万円~、住宅宿泊事業届出30万円/1室 |
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簡易宿泊所営業許可申請22万円~、住宅宿泊事業届出16万5,000円~ |
※上記は各事務所が公表している個別の料金例です。全国的な平均額や公定価格ではありません。業務範囲、税の取扱い、別途費用、掲載時期などは各事務所の公式ページで確認してください。
記事の掲載にあたっての注意点: 行政手数料は自治体によって異なり、改定されることがあります。金額を掲載する場合は、対象自治体と確認日を併記し、開業予定地の最新情報を確認するよう案内することが適切です。また、行政書士報酬は個別事務所の公開料金例として扱い、「全国相場」と断定しないようにしてください。