経営事項審査の提出先とは?行政書士が実務で解説【建設業者向け】
経営事項審査の提出先を正しく理解する
公共工事の入札に参加する建設業者は、原則として経営事項審査(経審)を受ける必要があります。
このとき多くの建設業者が迷うのが「経営事項審査の提出先はどこか」という点です。
結論から言うと、経営事項審査の提出先は建設業許可の種類によって異なります。
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知事許可業者 → 都道府県
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大臣許可業者 → 地方整備局等
つまり、自社がどの許可区分なのかによって経営事項審査の提出先が決まるという仕組みです。
これは建設業制度の基本構造であり、建設業者が経審手続きを行う際には最初に確認すべき重要ポイントになります。
また、公共工事の入札資格審査では、この経営事項審査の結果が評価点として使用されるため、提出先を誤ると申請手続き自体が進まない可能性もあります。
経営事項審査の提出先の基本ルール
経営事項審査の提出先は、建設業許可の区分(知事許可・大臣許可)で決まります。
| 許可区分 | 経営事項審査の提出先 |
|---|---|
| 知事許可 | 各都道府県の建設業担当部署 |
| 大臣許可 | 国土交通省の地方整備局等 |
知事許可業者の場合
営業所が1つの都道府県内だけにある建設業者は、都道府県知事の許可を受けています。
この場合の経営事項審査の提出先は都道府県庁です。
ただし実務上は
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県庁本庁
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土木事務所
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建設業課
など、自治体ごとに受付窓口が分かれていることがあります。
大臣許可業者の場合
営業所が複数の都道府県にある場合は、国土交通大臣許可となります。
この場合、経営事項審査の提出先は
国土交通省の地方整備局等
となります。
なお制度改正により、
2020年4月以降は大臣許可業者の経審書類は地方整備局へ直接提出する方式になっています。
つまり、都道府県では受付されないケースがあるため注意が必要です。
経営事項審査の提出先を判断する具体的手順
実務では次の流れで判断します。
①建設業許可の種類を確認
まず確認すべきなのは建設業許可の区分です。
建設業許可は次の2種類があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 知事許可 | 営業所が1都道府県内のみ |
| 大臣許可 | 複数都道府県に営業所 |
この許可区分は許可通知書や許可番号で確認できます。
②提出先を確定する
許可区分が分かれば提出先は以下のとおりです。
知事許可
→ 都道府県庁
大臣許可
→ 地方整備局
このように、制度上はシンプルな構造になっています。
ただし自治体ごとに
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郵送受付
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予約制審査
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電子申請
など運用が異なるため、提出前に必ず確認する必要があります。
経営事項審査の提出方法(最新制度)
現在は、経営事項審査の提出方法も変化しています。
主な申請方法は次の3つです。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 窓口申請 | 従来型の提出方法 |
| 郵送申請 | 一部自治体で対応 |
| 電子申請 | JCIPシステム |
近年は**電子申請システム(JCIP)**の導入が進み、
建設業許可や経営事項審査の手続きをオンラインで申請できるケースも増えています。
ただし、自治体によって
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電子申請のみ
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窓口審査
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予約制
など差があるため注意が必要です。
行政書士の実務意見:提出先で最も多いミス
行政書士の実務では、経営事項審査の提出先の誤りは比較的よく見られます。
特に多いケースは次の3つです。
①大臣許可なのに県へ提出する
2020年の制度変更を知らず、
地方整備局ではなく県に提出してしまうケースがあります。
この場合、受付されず手続きが遅れることになります。
②営業所の追加後も知事許可と思っている
営業所を他県に設置すると、
知事許可 → 大臣許可
へ変更が必要になります。
許可区分を誤認すると、
経営事項審査の提出先も誤ることになります。
③入札参加申請の期限に間に合わない
経審は
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経営状況分析
-
経営規模等評価
-
入札資格申請
という流れになります。
提出先の確認ミスで遅れると、
公共工事の入札参加に間に合わないリスクがあります。
行政書士の実務意見:提出先確認は必ず最初に行う
行政書士の実務では、経営事項審査の相談を受けた際に最初に確認するのが提出先です。
理由は次の通りです。
-
必要書類が自治体ごとに違う
-
申請方法が違う
-
予約制の自治体がある
つまり、提出先が確定しないと手続き準備ができないからです。
特に公共工事を継続して受注する企業では、
経営事項審査の提出先を毎年確認することが重要です。
まとめ:経営事項審査の提出先は許可区分で決まる
経営事項審査の提出先は次のルールで決まります。
| 許可区分 | 提出先 |
|---|---|
| 知事許可 | 都道府県 |
| 大臣許可 | 地方整備局 |
つまり、
経営事項審査の提出先=建設業許可の行政庁
という関係になります。
実務では
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許可区分の確認
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管轄行政庁の確認
-
提出方法の確認
この3つを先に確認することが重要です。
特に公共工事の入札参加を予定している建設業者にとって、経営事項審査の提出先の理解は非常に重要な基礎知識と言えるでしょう。