道路工事やイベントなどで道路を通行止めにする場合、道路使用許可の申請に加えて、関係者の同意書が必要になることがあります。しかし、すべての通行止めで同意書が一律に必要とされるわけではありません。
必要な書類や同意を確認する相手は、通行止めの内容、周辺への影響、申請先の警察署の案内などによって異なります。
この記事では、道路使用許可で通行止めを行う際の同意書について、必要となるケースや記載方法、申請時の注意点を行政書士の実務的な視点から解説します。
道路使用許可で通行止めにする場合、同意書は必要?
道路使用許可で通行止めを行う場合、同意書が必要かどうかは、工事やイベントの内容、道路の利用方法、関係者への影響などを踏まえて確認する必要があります。
道路交通法第77条では、道路における工事や作業、一定の工作物の設置、祭礼行事など、所定の行為について警察署長の道路使用許可が必要となる場合を定めています。
ただし、同条に基づく道路使用許可の申請で、あらゆるケースに一律で同意書の提出が義務付けられているわけではありません。
警察が必要と判断する場合には、土地・建物の所有者や使用者、住民などの同意を示す書類が求められることがあります。具体的な必要書類は、申請先の警察署に確認することが重要です。
行政書士の実務意見: 同意書の要否を申請者だけで判断するのは避けましょう。申請前に工事内容や通行止めの範囲、期間、歩行者や車両への影響を整理し、管轄警察署に必要書類を確認しておくと、書類の不足や申請のやり直しを防ぎやすくなります。
道路使用許可の通行止めで同意書が必要となるケース
周辺住民や沿道関係者への影響がある場合
道路を通行止めにすると、沿道の住宅や店舗への出入り、荷物の搬入、日常の移動などに影響が生じる場合があります。
このようなケースでは、状況に応じて関係者への事前説明や同意の確認が必要になることがあります。ただし、近隣住民全員の同意が常に必要になるという意味ではありません。
工事によって出入口が利用しにくくなる場合
道路工事や建築工事に伴い、住宅や店舗、駐車場などの出入口が一時的に利用しにくくなる場合は、影響を受ける関係者を整理することが重要です。
通行止めの時間帯や代替経路、車両の出入りが可能な時間などを具体的に説明しておくと、工事に対する理解を得やすくなります。
イベントなどで道路の通行を制限する場合
祭礼や地域イベントなどで道路を通行止めにする場合は、歩行者や車両の動線、沿道施設へのアクセス、安全対策などを検討する必要があります。
道路使用許可のほかに、イベントの内容や道路管理者との関係に応じて別の手続きが必要となる可能性もあります。
行政書士の実務意見: 同意書を求められる可能性がある場合は、影響を受ける関係者を早い段階で洗い出しましょう。誰に、何を、いつまで説明する必要があるのかを整理しておくことが、円滑な申請準備につながります。
通行止めの同意書は誰から取得する?
道路使用許可の通行止めに関する同意書について、誰から取得するかは、案件ごとに確認する必要があります。
考えられる関係者には、次のような人や事業者がいます。
| 関係者 | 確認する内容の例 |
|---|---|
| 沿道の土地・建物の所有者 | 工事による土地や建物への影響 |
| 建物の使用者・店舗の営業者 | 出入口や営業への影響 |
| 通行止め区間の利用者など | 通行経路やアクセスへの影響 |
| その他、警察署が指定する関係者 | 個別の申請内容に応じた確認事項 |
この表は、確認対象を整理するための例であり、すべての関係者から同意書を取得しなければならないという法的な一覧ではありません。
行政書士の実務意見: 同意を得る相手を独自に決めつけず、通行止めの図面や工事計画を示したうえで、管轄警察署に確認することが重要です。必要な同意の範囲を事前に明確にしておけば、不要な書類作成や確認漏れを減らせます。
道路使用許可の通行止めに使う同意書の書き方
同意書に全国共通の様式があるとは限りません。警察署が指定する様式がある場合は、それに従いましょう。指定がない場合でも、提出先に記載項目や形式を確認してから作成するのが安全です。
同意書に記載する基本項目
一般的な同意書では、次のような項目を整理します。
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同意を求める工事や行為の名称
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通行止めを実施する場所
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通行止めの期間や時間帯
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通行止めの内容と実施方法
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同意する事項
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同意者の住所・氏名など
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同意した年月日
ただし、これらは作成時に検討する項目の例です。すべての案件で同じ項目が必須となるわけではなく、提出先の指示を優先してください。
通行止めの場所・期間・内容を明確にする
同意書を作成するときは、どの道路を、いつ、どのような方法で通行止めにするのかを具体的に記載することが大切です。
場所や期間が曖昧だと、同意の対象が明確にならず、申請書や添付図面との不一致が生じるおそれがあります。必要に応じて、位置図や通行止めの範囲を示した図面を添付することも検討します。
行政書士の実務意見: 同意書だけを先に作成するのではなく、申請書、工事計画書、交通規制図などと内容を照合しましょう。実施場所や期間を変更した場合は、既存の同意書で変更後の計画をカバーできるか、警察署や関係者に確認することが重要です。
道路使用許可の通行止めに関する同意書の注意点
申請先の警察署に必要書類を確認する
道路使用許可の申請では、申請書のほか、場所を示す地図や道路の使用方法を説明する図面などが必要になることがあります。追加書類は行為の内容や管轄警察署の案内によって異なります。
同意書についても、必要かどうか、どのような内容を記載するか、何部提出するかを申請前に確認しましょう。
同意書の内容と実際の計画を一致させる
同意書に記載した通行止めの期間や範囲と、実際の工事計画が異なる場合は注意が必要です。
工事日程や規制区間を変更するときは、申請内容の変更手続きが必要かどうかに加え、同意の取り直しが必要かどうかも確認してください。
同意を得られない場合は早めに相談する
関係者から同意を得られない場合、申請が必ず不可能になるとも、同意なしで必ず許可されるとも一概にはいえません。必要性や影響、代替措置などを踏まえた個別の確認が必要です。
行政書士の実務意見: 同意が得られない場合は、工事日程や通行止めの範囲、代替通路、安全対策を見直せるか検討し、早めに管轄警察署へ相談しましょう。事実と異なる説明をしたり、同意を得ていないのに同意済みと記載したりすることは避けてください。
道路使用許可と同意書に関するよくある質問
道路使用許可の申請に同意書は必ず必要ですか?
必ず必要とは限りません。申請内容や警察署の判断によって、同意を示す書類が求められる場合があります。管轄警察署に確認してください。
通行止めを行う場合、近隣住民全員の同意が必要ですか?
一律に近隣住民全員の同意が必要と定められているわけではありません。必要な同意の範囲は、個別の状況と申請先の案内に基づいて確認します。
同意書の書式は決まっていますか?
全国共通の書式が常に使われるとは限りません。指定様式の有無を警察署に確認し、指定がない場合も記載内容や添付資料を相談してから作成しましょう。
同意書が得られない場合は申請できますか?
同意書が必要とされる案件かどうかによって対応が異なります。申請の可否を自己判断せず、事情を説明して警察署に相談してください。
道路使用許可とは別に道路占用許可も必要ですか?
道路使用許可と道路占用許可は別の制度です。道路上で工事や作業などを行う場合の道路使用許可に対し、道路に一定の施設や設備などを設置して継続的に使用する場合には、道路管理者による道路占用許可が必要となることがあります。具体的な手続きは、行為の内容や道路の管理状況に応じて確認してください。
まとめ
道路使用許可で通行止めを行う場合、同意書が必要かどうかは、通行止めの内容や周辺への影響、管轄警察署の案内などによって異なります。すべてのケースで一律に必要とされるわけではありません。
申請前には、通行止めの場所・期間・方法を整理し、必要書類や同意を確認する相手を警察署に確認しましょう。同意書を作成する場合は、申請書や図面との整合性を保ち、計画変更時には必要な対応を確認することが大切です。
行政書士の実務上も、事前相談と書類の整合性確認を徹底することが、申請の手戻りを防ぎ、円滑な道路使用許可の取得を目指すうえで重要です。