旅館業営業許可申請を行うためには、旅館業法および関連法令が定める要件を満たしている必要があります。
以下では、許可を受けられない欠格事由から、施設基準、立地規制、その他の注意点までを体系的に整理します。
旅館業許可申請ができない方(欠格事由)
以下のいずれかに該当する場合、旅館業営業許可申請を行っても許可を受けることはできません。
欠格事由一覧
| 欠格事項 | 内容 |
|---|---|
| 心身の故障がある者 | 精神の機能の障害により、旅館業を適正に行うために必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者 |
| 破産者 | 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない者 |
| 刑罰歴 | 禁錮以上の刑に処せられ、執行終了等の日から3年を経過していない者 |
| 旅館業法違反 | 旅館業法または同法に基づく処分に違反し、刑に処せられてから3年を経過していない者 |
| 許可取消歴 | 旅館業法第8条により許可を取り消され、取消日から3年を経過していない者 |
| 暴力団関係者 | 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者 |
| 未成年者 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が1~6に該当する場合 |
| 法人役員 | 法人の役員のうちに上記に該当する者がいる場合 |
| 事業支配 | 暴力団員等が事業活動を支配している場合 |
立地規制
1.都市計画法による規制
以下の用途地域に指定されている場合、原則として旅館業営業許可申請はできません。
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第1種低層住居専用地域
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第2種低層住居専用地域
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第1種中高層住居専用地域
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第2種中高層住居専用地域
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工業地域
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工業専用地域
2.旅館業法による規制
営業予定地が、以下の施設の敷地からおおむね100m以内にあり、かつ清純な施設環境を著しく害するおそれがある場合、原則として許可を取得できません。
規制対象施設
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学校教育法第1条に規定する学校
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幼保連携型認定こども園
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児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く)
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社会教育法第2条に規定する社会教育施設
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条例で定めるその他の施設
【神戸市で該当する主な施設】
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図書館
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博物館および博物館相当施設
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公民館
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公共スポーツ施設
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都市公園
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青少年の健全育成を目的とした施設(市長指定)
※ 該当施設は自治体ごとに異なるため、事前確認が必要です。
施設要件
旅館業の営業者は、宿泊者の衛生を確保するため、施設について適切な措置を講じなければなりません。
【旅館・ホテル営業】構造設備の基準
| 項目 | 基準内容 |
|---|---|
| 客室面積 | 1客室あたり7㎡以上(寝台設置の場合は9㎡以上) |
| 受付設備 | 宿泊者との面接・確認に適した玄関帳場等を設置 |
| 衛生設備 | 換気・採光・照明・防湿・排水設備を有すること |
| 入浴設備 | 公衆浴場が近接する場合を除き、十分な規模を確保 |
| 洗面・便所 | 宿泊者数に応じた適切な設備数 |
| 視認遮断 | 教育施設等の周囲100m以内では、内部を見通せない構造 |
| その他 | 都道府県条例で定める基準に適合すること |
【神戸市独自の追加基準】
| 主な内容 |
|---|
| 定員超過禁止 |
| 換気・照明設備の適切な維持管理 |
| 冷暖房時の温湿度管理・有害ガス防止 |
| 寝具・リネン類の清潔保持(宿泊者ごとに洗濯) |
| 感染症発生時の消毒 |
| 施設内外の清掃・害虫駆除 |
| 上水道使用(井戸水は年2回以上の水質検査) |
| 浴室に38℃以上の湯を供給 |
| 公衆浴場法施行条例への適合 |
| 宿泊者との対面確認の実施 |
【簡易宿所営業】構造設備の基準
| 項目 | 基準内容 |
|---|---|
| 客室延床面積 | 原則33㎡以上(宿泊者10人未満の場合は3.3㎡×人数) |
| 階層式寝台 | 上段・下段の間隔がおおむね1m以上 |
| 衛生設備 | 換気・採光・照明・防湿・排水設備を有すること |
| 入浴設備 | 公衆浴場が近接する場合を除き、十分な規模を確保 |
| 洗面・便所 | 宿泊者需要に応じた規模・数 |
| その他 | 都道府県条例で定める基準に適合すること |
まとめ
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旅館業営業許可申請には、欠格事由に該当しないことが前提条件となり、個人・法人役員ともに厳格な審査があります。
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用途地域や学校・公園等からの距離など、都市計画法・旅館業法による立地規制を満たさなければ申請できません。
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施設には、客室面積や衛生設備、入浴設備などの構造設備基準が定められています。
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神戸市では、衛生管理や水質検査、対面確認など独自の追加基準が課されています。
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消防法・建築基準法の遵守に加え、市長の事前同意や住民説明会が必要となる場合もあります。